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日本ボート協会

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ユニバ―アード3種目で金2個、銅1個!

 韓国の光州で7月5日(日)〜7日(火)に開かれたユニバーシアード夏季大会のボートの女子軽量級ダブルスカル決勝で、日本(大石綾美=中部プラントサービス、冨田千愛=明大)は7分5秒09で優勝。大学カテゴリーとはいえ、日本女子ボート界として、世界大会で初の金メダルを獲得する快挙を成し遂げた。

 続いてあった男子軽量級かじなしフォア決勝でも、日本(荒木祥太、林亜門、志賀巧、佐藤翔=いずれも早大)が6分0秒07で優勝し、日本クルーが世界大会の2レース連続で、世界を制覇した。

 また、男子軽量級ダブルスカル決勝で、日本(大塚圭宏=日大、長田敦=早大)は、6分24秒89で銅メダルを獲得した。

女子軽量級ダブルスカル決勝

ゴール前、必死に追い上げてくる後続を振り切る日本。手前から4位オランダ、3位イタリア、1位日本、2レーンのプレートが見えているのが2位ポーランド。この数秒後に歓喜の瞬間が訪れた。

【レース経過】

 500mはトップのドイツに0.51秒差の2位で通過。1位から5位までが1.80秒の中にひしめく混戦状態だったが、ここから日本が600m地点で1位に浮上。1000m地点では1位が日本、2位が0.62秒差でイタリアが続き、3位が1.99秒差でポーランド、以下4位オランダ、5位ドイツ、6位カナダと続いた。しかし1000mを過ぎるとさらに2人の動きが躍動し1250mでは激しい2位争いをするイタリアとポーランドに1艇身の差をつけ完全にレースの主導権を握った。1500mで2位のイタリアに1.94秒差をつけこのままゴールまで一気に行くかと思われたところで、3位を走っていたポーランドが猛烈なスパート。レースが一気にヒートアップした。

 ポーランドはそのままイタリアを捉え2位に浮上、さらに日本との差を詰め始める。またポーランドに引っ張られるように3位イタリア、4位オランダまでが激しいデッドヒートを繰り広げ、上位4クルーがゴールになだれ込もうとする。しかし、一昨年のユニバーシアード女子軽量級ダブルスカル5位、U23世界選手権女子軽量級シングルスカル3位の経験を活かし、大石が的確にスパートを入れ後続を振り切りトップでゴール! 4位までが1.63秒差という白熱した戦いを制した。

大石綾美選手(中部プラントサービス)

 一昨年U23世界選手権の女子軽量級シングルスカルで銅メダルを獲得した経験を、(自分一人ではなくパートナーがいる)ダブルスカルに活かし勝つことができて嬉しいです。スタートで出遅れた時もパートナーの冨田選手の存在があったからこそ頑張れました。ここまで苦しい時期もありましたが、いろいろな方々に支えていただけたおかげで金メダルが取れました。ありがとうございました。

冨田千愛選手(明大)

 クルーの組みはじめは大石選手の足を引っ張らないことばかり考えていましたが、練習を重ねるにつれ2人で成長していくことが楽しかったです。大石選手と二人で「絶対金メダルを取ろう」と組んだ当初に 誓ったことがかなってとても嬉しいです。

男子軽量級かじなしフォア決勝

ゴールの瞬間、優勝に喜びを爆発させる日本クルー

【レース経過】

 女子軽量級ダブルスカルの興奮冷めやらぬ中、レースがスタート。日本は1位争い横一線の中にはいるものの、なかなか主導権を握るまでにはいかない苦しい展開。

 500mを僅かの差で1位通過するも、3位オランダまでは0.29秒差。6位中国までが1.94秒差にひしめく混戦の前半となった。

 第2クオーターに入りドイツと日本が激しくトップ争いをしながらも、混戦状態が続いた。1000mでは僅かにドイツにリードを許し、1位ドイツ、0.12秒差で2位日本、3位オランダ、4位イタリアの順で通過。しびれるような展開が続いたが、日本のリズムは崩れることはなく、逆に躍動感がさらに満ちてきた。第3クオーターで再びトップに立つと、1500mでは2位ドイツとは0.67秒差、3位に浮上したイタリアとは3.03秒差をつけた。

 大歓声の中、ラストクオーターに入ると一気にスパートし勝負を決めたのは日本だった。ストロークの佐藤選手(日大)の動きが一気にトップギアに入ると、滑るように艇が加速し一気に後続を引き離した。ドイツ、イタリア、オランダは前半からかなり仕掛けていたため余力はなく、そのまま日本が1位でゴール。2位には日本と激しいトップ争いを繰り広げたドイツが2.10秒差で入り、オランダとの3位争いを制したイタリアが3位となった。

荒木祥太選手(日大)

 最上級生としてクルーをまとめる立場ではありましたが、常に積極的な後輩たちと勝利をつかめたことが何より嬉しいです。

林亜門選手(日大)

 半年間つらい練習に耐えた結果が出たことが良かったです。この後のU23世界選手権につなげていきたいと思います。

志賀巧選手(日大)

 嬉しいです。今回を通過点としてU23世界選手権につなげられたらと思っております。

佐藤翔選手(日大)

 世界大会初メダルを金メダルで飾れて何よりです。

男子軽量級ダブルスカル

【レース経過】

 スタートは横一線。300m付近から中国がまず仕掛け一気に1艇身近くリードを広げはじめた。日本はドイツと並ぶようにして中国を追う。500mの通過は1位中国、0.77秒差で2位ドイツ、日本はトップから1.05秒差の3位で通過。続いて4位ウクライナ、5位カナダ、6位イタリアと続く。

 600m過ぎから日本はドイツと並ぶようにして中国との差を詰めようとするが、中国が必死に逃げ続ける。なかなかトップには出してもらえないが、捉えた感触は十分に出てきた。1000mの通過は、1位中国、2位が1.43秒差で日本、3位がトップ中国から1.90秒差のドイツ。ここでイタリアがトップ中国と2.48秒差の4位に浮上してきた。

 勝負の第3クオーター、ここで日本がギアを切り替える。1100m地点でドイツとの争いから徐々に抜けだし、1位中国との差を一気に詰めはじめた。1200mでついに中国に並び、1250mでは完全にトップに躍り出た。ここから日本がさらに躍動しはじめ1500mでは2位イタリアに1.27秒差、3位ウクライナには1.96秒差をつけ一位で通過。完全にレースの主役となり、大型ビジョンを見ていたスタンドの観客からは(昨日に続き)日本もここまで強ければあきらめるしかないといった雰囲気になってきた。

 ここから2位イタリア、3位ウクライナが猛烈な追い上げをはじめた。しかし日本も対応している。1750m地点もトップで通過。さらに猛烈なラストスパート合戦となる。隣の2レーンウクライナの猛追をかわそうと必死にスパートを入れる日本。スタンドは大興奮。各国の応援が飛び交う中、最高のスパートを見せたのは6レーンイタリアだった。ラスト100mで日本とウクライナをかわすとそのままトップでゴールに飛び込んだ。続いて日本とウクライナが並ぶようにしてゴールするが、2位ウクライナ、3位日本となった。

 レース後がっくりとうなだれる日本の2選手だったが、前日の2種目金メダルという結果、また各国が「これ以上日本に勝たせてたまるか」という凄まじいプレッシャーがかかる中で、堂々と主役を演じメダルを獲得したレースは見るものに大きな感動を与え、またメダルラッシュに沸いた今大会を締めくくるにふさわしいレースになった。

長田敦選手(早大)

 世界ジュニア選手権以来の世界大会出場となりました。世界ジュニア選手権の際には話にならないくらい水が空いたレースになってしまいましたが、今大会は決勝まで進めてそこからメダル争いまでできたのは、この4年間自分が成長できたのだなと実感できました。桝田コーチをはじめとするスタッフの皆さんにお世話になってのこの結果でした。本当にありがとうございます。U23世界選手権では結果を残して感謝の気持ちをレースで伝えたいと思っております。

大塚圭宏選手(日大)

 決勝レースはこれまでの競技人生の中で一番刺激的かつ重みのあるレースでした。金メダルを持ち帰ることができなくて申し訳ありません。周囲の方々の支えがなければ取れなかったメダルなので、今大会で得たことをこれから先につなげて、周囲の想いにこたえて行きたいと思っております。

(情報と写真は、日本ボート協会提供。2015年8月10日更新)

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