2012ロンドン五輪近代五種日本代表

黒須成美(くろす・なるみ)

1991年、茨城県生まれ。東海東京証券所属。小学1年の時に水泳を始め、小6から、近代五種選手であった父・秀樹氏の影響で競技転向し、中学3年でアジア選手権5位入賞。2010年に行われた第1回全日本女子選手権で優勝。翌年の第2回大会でも連覇し、圧倒的な強さを見せた。2011年のアジア選手権で6位に入り、ロンドン五輪出場権を獲得。山中詩乃選手とともに日本人として初となる女子近代五種出場を果たした。

「キング・オブ・スポーツ」近代五種の現状を変えたい

 近代五種は、五輪競技で最も長い歴史があり、欧米では「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれます。1人の選手が5種目をこなすだけでも難しいのに、選手は各種目でそれぞれの代表になれるような高い実力、技術を持っています。そのような選手たちが集まる競技だと知っていただき、興味を持ち、少しでも共感してもらえたら、うれしいですね。

 最後まで誰が勝つのか分からない、それが近代五種の醍醐味ではないでしょうか。実際に今年あったワールドカップで優勝した選手は、20位からスタートして19人抜きで優勝しました。5種目ありますから、どの種目もパーフェクトでいくのは難しいですが、各種目に集中し、自分の力が出し切れた時の喜びは大きいです。

 選手が良い環境でトレーニングができているとは、言えないのが現状です。近代五種は指定の練習場所が国内にないため、トレーニング可能な場所を自分で探し出し、コーディネートしなくてはなりません。近代五種をやりたい選手は他にもいますが、個人で練習場所を確保しなければならないというハードルの高さから断念する人もいます。

 練習場を作るのは難しいかもしれません。でも、協会が練習場所を確保して選手に紹介できるような仕組みを作れば、選手はもっと増えていくでしょう。強化費用として予算をつけていただければ、活動もしやすくなるはずです。

 試合の遠征費用は一部を選手が負担しています。日本国内に大きな大会が少ないため、本当は海外の大会に出て多くの経験を積んだ方がいいのですが、金銭面で負担しきれない選手は経験を積みたくても積めないのが現実です。韓国は4カ月に1回のペースで大きな試合があるのに、日本の大きな大会は全日本選手権の1戦だけです。ナショナルチーム以外の選手も経験が積めるよう、国内での試合も増やしてほしいですね。きっと、近代五種の認知度も上がると思います。

 私は今、所属先のサポートのおかげで、良い環境で練習ができ、試合に臨めるようになりました。でも、以前は両親に片道40分かけて練習場に連れて行ってもらったり、自分でひたすら練習場を見つけては、練習をしに回ったりしていました。海外の試合は毎回、両親にお金を出してもらっていました。こんな経験をしてきたからこそ、変えていかなくてはならないと強く思います。

 当面の目標は来年のリオ五輪出場です。もちろん、一番のメインとして考えているのは2020年の東京五輪です。自国開催の五輪に出場し、結果を出せればと思っています。

 皆さん、ご支援のほどよろしくお願いします!